機能性表示食品とは?トクホとの違いと届出の調べ方|2026年9月1日から新ルールが完全適用(消費者庁の資料で整理)
最終確認日: 2026年10月17日(健康レーダー編集部)
機能性表示食品とは、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などを販売前に消費者庁長官へ届け出て、機能性を表示できる食品です。国が個別に審査して許可する特定保健用食品(トクホ)とは違い、国による評価は受けていません。届け出た内容(届出番号・届出表示など)は、消費者庁の届出情報で誰でも調べられます。
紅麹関連製品の事案を受けて2024年に見直された制度は、一部の項目に経過措置期間が設けられていました。その期間は2026年8月31日で終わり、9月1日から、錠剤・カプセル剤等の製造の基準(GMP)と、パッケージの表示方法の見直しが適用されています(消費者庁の説明会資料)。買う側から見て何が変わったのか、消費者庁の資料をもとに整理します。
悩みから届出を比べる
届出表示にある機能ごとに、消費者庁の届出情報で商品を比べた記事です(2026年10月10日時点)。
- 睡眠の質:睡眠の質の届出がある機能性表示食品の比較
- 血糖値:血糖値の届出がある機能性表示食品の比較/アラプラスの種類と違い
- コレステロール・中性脂肪:レイデル ポリコサノール10/大正製薬のタブレット・青汁
- 血圧:カカオの力 ピーナッツチョコレート/クルビサプラス 高めの血圧対策
- 肝機能(ALT):スルフォラファンの28品比較/DHCの2品の違い
- 免疫:酢酸菌GK-1の33品比較/キリン おいしい免疫ケア/ヤクルト1000・Y1000
- デリケートゾーン(膣内環境):GR-1・RC-14の届出19件の比較
- 届出の調べ方:届出番号の読み方と調べ方
要点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 完全適用の時期 | 2026年9月1日(経過措置は8月31日まで) |
| 対象1: 製造 | 天然抽出物等を原材料とする錠剤・カプセル剤等について、GMPの基準に基づく製造・品質管理 |
| 対象2: 表示 | 国の評価を受けたものではないことの明確化など、パッケージ表示方法の見直し |
| すでに適用済み | 医師の診断による健康被害情報の提供(2024年9月1日)、届出に関する見直し(2025年4月1日) |
| 変わらないこと | 国が審査する制度にはならない。事業者の責任で届け出る仕組みは維持される |
そもそも機能性表示食品とはどんな制度か
消費者庁は、機能性表示食品制度を次のように説明しています。
機能性表示食品制度とは、国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行いませんので、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります。
ここが特定保健用食品(トクホ)との決定的な違いです。トクホは国が個別に審査して許可しますが、機能性表示食品は事業者が届け出る制度で、国のお墨付きではありません。商品パッケージに必ず書かれている「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません」という一文は、この違いを示すものです。
なぜ制度が見直されたのか
きっかけは紅麹関連製品に係る事案です。消費者庁は、2024年(令和6年)8月23日付けの食品表示基準の一部改正について、紅麹関連製品に係る事案を受け、制度の信頼性を高めることを趣旨としていると説明しています。2024年5月31日には「紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合」(第2回)が開かれ、今後の対応が取りまとめられました。
見直しは複数の項目にわたり、すぐに実施できるものと、事業者側の体制整備に時間がかかるものに分けて段階的に施行されてきました。後者に設けられていた経過措置期間は、2026年8月31日で終了しました。
2026年9月1日から完全適用になった2つの柱
1. 製造・品質管理(GMP)の要件化
消費者庁は「機能性表示食品のうち天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品の製造又は加工の基準」という告示を定めています。対象は錠剤・カプセル剤などのサプリメント形状の商品で、飲料や加工食品の形をしたものとは扱いが分かれます。
GMP(Good Manufacturing Practice)は適正製造規範のことで、消費者庁の説明会資料は、原料の受入れから最終製品の出荷に至るまでの全工程で、適正な製造管理と品質管理を求めるものと説明しています。紅麹の事案では製造工程の管理が論点の一つになったため、サプリメント形状の商品に対してこの基準が要件化されました。2026年10月1日には、消費者庁の届出者向けのページに、この基準に係る届出者向けの点検指針(令和8年10月1日付け消食表第773号)が掲載されました。
買う側から見ると、サプリメント形状の機能性表示食品については、製造体制の基準が一段引き上げられたと理解しておけばよい部分です。
2. パッケージ表示方法の見直し
もう一つが、容器包装への表示のしかたです。消費者が、機能性表示食品であることや、国が評価したものではないことを誤解なく読み取れるように、表示すべき内容と表示のしかたが見直されました。
すでに新しい基準に対応したパッケージも流通していますが、経過措置期間中は旧基準の表示のまま製造することが認められていました。9月1日以降はこれができなくなりました。消費者庁の説明会資料は「令和8年9月1日以降に製造等される機能性表示食品については、従前の例は適用されず、改正後の食品表示基準に従う必要があります。」としています。言い換えると、経過措置期間中に製造された商品がその後販売されること自体は妨げられません(編集部の整理)。つまり、9月1日を境に店頭の商品が一斉に切り替わるわけではなく、順次入れ替わっていくかたちになります。
すでに適用されている変更
今回の完全適用に先立ち、施行済みの項目もあります。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2024年9月1日 | 医師の診断による健康被害情報を保健所等へ提供する仕組みを、ガイドラインから府令・告示に位置づけた(施行) |
| 2025年4月1日 | 改正後の届出に関する事項を施行。新規の機能性関与成分に係る届出者の評価を慎重に確認する手続(60営業日・120営業日)を含む。食品表示基準は、販売を開始する日の60日(行政機関の休日を数えない)前までの届出を求め、新規の成分で確認に特に時間を要すると消費者庁長官が認める場合は120日(同)前までとしている |
| 2025年4月1日 | 届出後の遵守事項(定期的な自己点検報告等)を施行。新しい届出データベースの運用も同日に始まった |
紅麹の事案では、健康被害を把握してから行政への報告までに時間がかかったことが問題視されました。報告義務化はそこへの直接的な対応です。
編集部の注目ポイント
届出データベースで、見慣れた商品に新しい番号がついている——健康レーダーが記事作成のために消費者庁の届出情報検索データベースを継続的に確認しているなかで、2026年に入ってから、以前から販売されている商品と同じ商品名・同じ処方の届出が、新しい届出番号で登録されている例が複数見られました(編集部調べ)。
届出内容を変更する場合は変更届出が必要になるため、パッケージ表示の切り替えに伴う手続きが進んでいる時期と重なっていると考えられます。ただし個々の届出について理由が公表されているわけではないため、あくまで観察にとどまります。同じ商品でも届出番号が複数存在しうるという点は、届出情報を自分で調べるときに知っておくと混乱を避けられます。
国の評価を受けたものではない、という点は変わらない——今回の見直しで表示のしかたは変わりますが、制度の根っこは変わりません。国が審査して効果を保証する制度になったわけではなく、事業者が科学的根拠を届け出る仕組みのままです。
消費者庁は、届出内容を超えた広告に注意を促しています。 同庁は消費者向けに、行き過ぎたウェブサイト広告が問題となった事例に触れたうえで、次のように呼びかけています。
消費者の皆様におかれましては、公表されている届出内容を超えた広告を鵜呑みにしないよう御注意いただきますようお願いします。
同庁は、事業者が届け出た内容(安全性及び機能性の根拠に関する情報、生産・製造及び品質の管理に関する情報等)は消費者庁ウェブサイトで誰でも確認でき、購入や使用の際に活用できるとしています。健康レーダーが各商品の記事で届出番号と届出表示の原文を必ず掲載しているのは、この確認をしやすくするためです。
消費者庁が示す「機能性表示食品の利用のポイント」
同庁は消費者向けに、次のような利用上のポイントを挙げています。
- まずは自身の食生活をふりかえること。食生活は、主食・主菜・副菜を基本に、食事のバランスをとることが大切
- たくさん摂取すれば、より多くの効果が期待できるというものではない。過剰な摂取が健康に害を及ぼす場合もある
- パッケージに表示された注意喚起事項をよく確認する。一日当たりの摂取目安量、摂取の方法、摂取する上での注意事項が表示されている
- 体調に異変を感じた際は、速やかに摂取を中止し、医師に相談する
- パッケージには事業者の連絡先として電話番号が表示されており、商品による健康被害が発生した場合は連絡する
買う側として押さえておきたいこと
- 9月1日を境に安全性が急に変わるわけではありません。 制度の運用が完全適用に移行するという意味であり、それまでの商品に問題があるという話ではありません。
- パッケージが新旧混在する時期があります。 表記の細かな違いは、経過措置の切り替え時期によるものである可能性があります。
- 届出情報は誰でも無料で確認できます。 消費者庁の届出情報検索データベースで、届出番号や商品名から、届け出られた機能性表示の原文や科学的根拠の情報を読むことができます。
- 広告表現と届出表示は別物です。 広告のキャッチコピーではなく、届け出られた機能性表示の文言そのものを見るのが確実です。
よくある質問
Q. 機能性表示食品とは何ですか?
A. 事業者が、食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などを販売前に消費者庁長官へ届け出て、機能性を表示できる食品です。特定保健用食品(トクホ)と違い、国は審査を行いません。届け出た機能の文(届出表示)は、パッケージと消費者庁の届出情報で確かめられます。
Q. 機能性表示食品とは、簡単に(わかりやすく)言うと?
A. 国の審査を受けずに、事業者が科学的根拠を販売前に消費者庁へ届け出ることで、「◯◯の機能が報告されています」のような機能を表示できる食品です。国が審査して許可するトクホとは、この点が違います。
Q. 機能性表示食品は申請(許可)が必要ですか?
A. 許可を受ける制度ではなく、届け出る制度です。食品表示基準は、販売を開始する日の60日(行政機関の休日を数えない)前までの届出を求めており、新規の成分で確認に特に時間を要すると消費者庁長官が認める場合は120日(同)前までとしています(上の「すでに適用されている変更」の表)。
Q. 機能性表示食品の一覧(商品一覧・届出一覧)はどこで見られますか?ランキングはありますか?
A. 届け出られたすべての商品は、消費者庁の機能性表示食品の届出情報検索(届出データベース)で、商品名・届出番号・機能性関与成分などから調べられます。健康レーダーでは、睡眠・血糖値・腸内環境などの悩みごとに、届出を集計して主な商品の1日量と価格を比べた記事を作っています(この記事の下の「悩み別の記事」)。効き目の順位をつけたランキングは作っていません。
Q. 消費者庁の届出情報を見るのに、ログインは必要ですか?
A. 見るだけならログインは要りません。健康レーダー編集部は、2026年10月17日にログインせずに届出情報検索で商品を調べられることを確かめています。
Q. 2026年9月1日から、いま持っているサプリは飲めなくなりますか?
A. なりません。経過措置期間中に製造された商品の販売が妨げられるものではなく、手元の商品の扱いが変わるものでもありません。
Q. 機能性表示食品は国が効果を認めた食品ですか?
A. いいえ。消費者庁は、特定保健用食品(トクホ)と異なり国が審査を行わない制度であり、事業者が自らの責任において科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があると説明しています。
Q. 機能性表示食品とトクホの違いは何ですか?
A. トクホは国が個別に審査して許可する制度、機能性表示食品は事業者が届け出る制度です。パッケージに書かれている「特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません」という注記が、この違いを示しています。
Q. 届出情報はどこで見られますか?
A. 消費者庁の機能性表示食品の届出情報検索ウェブサイトで、誰でも確認できます。商品名や届出番号から検索できます。届出番号の読み方(先頭のアルファベットは届出の年度)と調べ方は、届出番号の記事にまとめています。
Q. GMPの対象になるのはどんな商品ですか?
A. 消費者庁の告示では、天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品が対象とされています。飲料や一般的な加工食品の形をした機能性表示食品とは扱いが分かれます。
出典
- 消費者庁「機能性表示食品について」
- 消費者庁「【食品関連事業者向け】機能性表示食品の届出について」(告示・手引き)
- 消費者庁 機能性表示食品の届出情報検索ウェブサイト
- 消費者庁「機能性表示食品制度に関する説明会」資料(2026年7月・PDF)
- 消費者庁「機能性表示食品の届出等に関する手引き」(令和7年10月1日一部改正・PDF)
本記事は2026年10月10日時点で公表されている消費者庁の情報に基づいて編集部が整理したものです。制度の詳細や最新の運用については、必ず消費者庁の公表資料をご確認ください。一部の記述は編集部の整理によるものであり、法令の解釈を示すものではありません。
本記事は特定の商品の効果を説明するものではなく、当サイトが商品の効果を保証するものでもありません。
2026年10月11日:記事の上部の最終確認日を2026年7月23日のまま、2026年9月4日に本文を更新していたため、確認日の表示が食い違っていました。消費者庁の資料(説明会資料・手引き・届出者向けのページ)で確かめ直し、確認日と本文の時点をそろえました。あわせて、施行日を消費者庁の資料の表に合わせて書き直し、記事自身の言葉に付けていた「」を外しました。