2026年9月1日、機能性表示食品の新ルールが完全適用へ。何がどう変わるのかを消費者庁の公表情報で整理
最終確認日: 2026年7月23日(健康レーダー編集部)
紅麹関連製品の事案を受けて2024年に見直された機能性表示食品制度は、一部の項目に経過措置期間が設けられていました。その期間が2026年8月31日で終了し、9月1日から完全適用となります(編集部調べ)。サプリメントの製造管理と、パッケージの表示方法が対象です。買う側から見て何が変わるのか、消費者庁の公表情報をもとに整理します。
要点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 完全適用の時期 | 2026年9月1日(経過措置は8月31日まで) |
| 対象1: 製造 | 天然抽出物等を原材料とする錠剤・カプセル剤等について、GMPの基準に基づく製造・品質管理 |
| 対象2: 表示 | 「国の評価を受けたものではない旨」の明確化など、パッケージ表示方法の見直し |
| すでに適用済み | 健康被害情報の報告義務化(2024年9月)、届出確認期間の見直し(2025年4月) |
| 変わらないこと | 国が審査する制度にはならない。事業者の責任で届け出る仕組みは維持される |
そもそも機能性表示食品とはどんな制度か
消費者庁は、機能性表示食品制度を次のように説明しています。
機能性表示食品制度とは、国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行いませんので、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります。
ここが特定保健用食品(トクホ)との決定的な違いです。トクホは国が個別に審査して許可しますが、機能性表示食品は事業者が届け出る制度で、国のお墨付きではありません。商品パッケージに必ず書かれている「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません」という一文は、この違いを示すものです。
なぜ制度が見直されたのか
きっかけは紅麹関連製品に係る事案です。消費者庁は、2024年(令和6年)8月23日付けの食品表示基準の一部改正について、紅麹関連製品に係る事案を受け、制度の信頼性を高めることを趣旨としていると説明しています。2024年5月31日には「紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合」(第2回)が開かれ、今後の対応が取りまとめられました。
見直しは複数の項目にわたり、すぐに実施できるものと、事業者側の体制整備に時間がかかるものに分けて段階的に施行されてきました。後者に設けられていた経過措置期間が、2026年8月31日で終了します。
2026年9月1日から完全適用される2つの柱
1. 製造・品質管理(GMP)の要件化
消費者庁は「機能性表示食品のうち天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品の製造又は加工の基準」という告示を定めています。対象は錠剤・カプセル剤などのサプリメント形状の商品で、飲料や加工食品の形をしたものとは扱いが分かれます。
GMP(Good Manufacturing Practice)は医薬品の分野で使われてきた製造管理・品質管理の考え方で、「同じ品質のものを、意図したとおりに、繰り返し作れる体制」を求めるものです。紅麹の事案では製造工程の管理が論点の一つになったため、サプリメント形状の商品に対してこの基準が要件化されました。
買う側から見ると、サプリメント形状の機能性表示食品については、製造体制の基準が一段引き上げられたと理解しておけばよい部分です。
2. パッケージ表示方法の見直し
もう一つが、容器包装への表示のしかたです。消費者が「これは機能性表示食品である」「国が評価したものではない」といった前提を誤解なく読み取れるように、表示すべき内容と表示のしかたが見直されました。
すでに新しい基準に対応したパッケージも流通していますが、経過措置期間中は旧基準の表示のまま製造することが認められていました。9月1日以降はこれができなくなります。ただし、経過措置期間中に製造された商品がその後販売されること自体は妨げられません(編集部調べ)。つまり、9月1日を境に店頭の商品が一斉に切り替わるわけではなく、順次入れ替わっていくかたちになります。
すでに適用されている変更
今回の完全適用に先立ち、施行済みの項目もあります。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2024年9月 | 健康被害情報の報告義務化(即日実施)。医師の診断による健康被害情報を収集し、行政機関に速やかに提供することが求められる |
| 2025年4月 | 届出確認期間の見直し。届出資料の確認に要する日数が従来の60日から60営業日に変更(新規成分等で確認に時間を要すると認められる場合は120営業日) |
| 2025年4月 | 届出データベースの更改。届出者による自己点検等報告の仕組みが整備された |
紅麹の事案では、健康被害を把握してから行政への報告までに時間がかかったことが問題視されました。報告義務化はそこへの直接的な対応です。
編集部の注目ポイント
届出データベースで、見慣れた商品に新しい番号がついている——健康レーダーが記事作成のために消費者庁の届出情報検索データベースを継続的に確認しているなかで、2026年に入ってから、以前から販売されている商品と同じ商品名・同じ処方の届出が、新しい届出番号で登録されている例が複数見られました(編集部調べ)。
届出内容を変更する場合は変更届出が必要になるため、パッケージ表示の切り替えに伴う手続きが進んでいる時期と重なっていると考えられます。ただし個々の届出について理由が公表されているわけではないため、あくまで観察にとどまります。同じ商品でも届出番号が複数存在しうるという点は、届出情報を自分で調べるときに知っておくと混乱を避けられます。
「国の評価を受けたものではない」の意味は変わらない——今回の見直しで表示のしかたは変わりますが、制度の根っこは変わりません。国が審査して効果を保証する制度になったわけではなく、事業者が科学的根拠を届け出る仕組みのままです。
消費者庁は、届出内容を超えた広告に注意を促しています。 同庁は消費者向けに、行き過ぎたウェブサイト広告が問題となった事例に触れたうえで、次のように呼びかけています。
消費者の皆様におかれましては、公表されている届出内容を超えた広告を鵜呑みにしないよう御注意いただきますようお願いします。
同庁は、事業者が届け出た内容(安全性及び機能性の根拠に関する情報、生産・製造及び品質の管理に関する情報等)は消費者庁ウェブサイトで誰でも確認でき、購入や使用の際に活用できるとしています。健康レーダーが各商品の記事で届出番号と届出表示の原文を必ず掲載しているのは、この確認をしやすくするためです。
消費者庁が示す「機能性表示食品の利用のポイント」
同庁は消費者向けに、次のような利用上のポイントを挙げています。
- まずは自身の食生活をふりかえること。食生活は、主食・主菜・副菜を基本に、食事のバランスをとることが大切
- たくさん摂取すれば、より多くの効果が期待できるというものではない。過剰な摂取が健康に害を及ぼす場合もある
- パッケージに表示された注意喚起事項をよく確認する。一日当たりの摂取目安量、摂取の方法、摂取する上での注意事項が表示されている
- 体調に異変を感じた際は、速やかに摂取を中止し、医師に相談する
- パッケージには事業者の連絡先として電話番号が表示されており、商品による健康被害が発生した場合は連絡する
買う側として押さえておきたいこと
- 9月1日を境に安全性が急に変わるわけではありません。 制度の運用が完全適用に移行するという意味であり、それまでの商品に問題があるという話ではありません。
- パッケージが新旧混在する時期があります。 表記の細かな違いは、経過措置の切り替え時期によるものである可能性があります。
- 届出情報は誰でも無料で確認できます。 消費者庁の届出情報検索データベースで、届出番号や商品名から、届け出られた機能性表示の原文や科学的根拠の情報を読むことができます。
- 広告表現と届出表示は別物です。 広告のキャッチコピーではなく、届け出られた機能性表示の文言そのものを見るのが確実です。
よくある質問
Q. 2026年9月1日から、いま持っているサプリは飲めなくなりますか?
A. なりません。経過措置期間中に製造された商品の販売が妨げられるものではなく、手元の商品の扱いが変わるものでもありません。
Q. 機能性表示食品は国が効果を認めた食品ですか?
A. いいえ。消費者庁は、特定保健用食品(トクホ)と異なり国が審査を行わない制度であり、事業者が自らの責任において科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があると説明しています。
Q. トクホとの違いは何ですか?
A. トクホは国が個別に審査して許可する制度、機能性表示食品は事業者が届け出る制度です。パッケージに書かれている「特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません」という注記が、この違いを示しています。
Q. 届出情報はどこで見られますか?
A. 消費者庁の機能性表示食品の届出情報検索ウェブサイトで、誰でも確認できます。商品名や届出番号から検索できます。
Q. GMPの対象になるのはどんな商品ですか?
A. 消費者庁の告示では、天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品が対象とされています。飲料や一般的な加工食品の形をした機能性表示食品とは扱いが分かれます。
出典
本記事は2026年7月23日時点で公表されている消費者庁の情報に基づいて編集部が整理したものです。制度の詳細や最新の運用については、必ず消費者庁の公表資料をご確認ください。経過措置期間の終期など一部の記述は編集部調べによるものであり、法令の解釈を示すものではありません。
本記事は特定の商品の効果を説明するものではなく、当サイトが商品の効果を保証するものでもありません。